フライパンハンドルのトラブルと対策
弊社はお客様よりフライパンについて日々多くのお問い合わせを頂いております。特にフライパンについては本体に関することだけでなくハンドルについても多くのお問い合わせを頂きます。
その中から実際にあった事例と、トラブルに至らないために注意すべきことをご紹介します。
フライパンをコンロにかけるとハンドルの付け根あたりから水が垂れたり蒸気が出てきます。
ハンドル内部に侵入した水が原因と考えられます。
症状の出たフライパンをお預かりしハンドルを取り外した所、内部に水が入った事による腐食が見られました。
ハンドル内部の状態から、この症状の原因としてはお手入れにおいて洗い桶などで浸け置きのような状態となり、ハンドルの取付金具内に水が浸入してしまい、金具内に残っていた水がガスコンロにかけた際に垂れるように出てきたり、蒸気の発生の原因になっていたと考えられます。
このような症状が出ないようにするためには次のことに注意してご使用ください。
- お手入れの際に洗い桶などの中で浸け置きをしないでください。
- 食洗機には絶対に使用しないでください。
- 流水で洗う際に水抜き穴に直接水をかけないでください。
- 洗った後はひっくり返した状態で伏せたままにせず、すぐに水気を拭き取り上側を向くように保管してください。
フライパンのハンドルは完全に水の侵入を防ぐことが出来ないため、万一水が浸入した場合に自然と排水するようにハンドル取付金具やハンドルの下側に水抜き穴を設けています。(本体製法やハンドル構造上より一部では水抜き穴が付いていないものもあります)
フライパンハンドルの
水抜き穴の例
フライパンは
浸け置き洗いしないでください。
ハンドルに緩みが出て、ネジを締めてもガタツキます。
フライパンの底面からはみ出した火でハンドル内部が破損した事が原因と考えられます。
症状の出たフライパンをお預かりした所、付け根の辺りから樹脂が焦げた臭いがありました。ハンドルを取り外して確認すると内部の差し込み部分の一部が炭化して破損、ネジを締めても固定できない状態になっていました。
この様にハンドル付け根あたりが炭化・損傷してしまうケースは、ガスコンロの炎がフライパンや鍋などの底面よりはみ出すような状態で使用されたため、取付金具や樹脂ハンドル付け根部分が高温になり樹脂の耐熱温度を超えることで炭化してしまい、破損したと考えられます。
このような症状が出ないようにするためには次のことに注意してご使用ください。
- ガスコンロでの加熱は中火以下で、中火以下であっても底面から炎がはみ出すような状態にならないよう火力調整を行ってください。特に径の小さいフライパンや本体の高さが低いものは熱源(火元)に近くなってしまいますのでご注意ください。
- 空炊き状態が続いてしまうと本体の熱がハンドルに伝わり、ハンドルの耐熱温度を越えてしまう場合があります。使用中はフライパンの前を離れず、本体が異常な高温にならない様にご注意ください。
フライパンの底面から炎がはみ出ださない様に
中火以下で調理してください。
フライパンは
空炊きしないでください。
ハンドルに亀裂が入ってしまいました。
ハンドル内部の腐食と強火で使用していた事が原因と考えられます。
症状の出たフライパンをお預かりした所、ハンドル付け根あたりに亀裂が入って割れが起こりかけている状態でした。ハンドルを取り外して確認すると内部は黒ずんで変色、白い粉状のものも付着しており、ハンドル金具部分の腐食が進行している状態でした。またフライパン内部のふっ素樹脂加工も全体的に高熱の影響とみられる変色を起こしていました。
ハンドル金具内側の腐食が激しいことから、水抜き穴などから金具内部に水が浸入し、それが長期間内部に残る事によって腐食が起こってしまったと考えられます。
またふっ素樹脂加工が全体的に高熱の影響とみられる変色を起こしている事やハンドル取付用のネジにサビが発生している事から、調理の際の強火でハンドル内部に残った水分が加熱され、高温の蒸気となる事でハンドルの内部を傷め腐食を進行させる原因になったと思われます。
このような症状が出ないようにするためには次のことに注意してご使用ください。
- お手入れの際に洗い桶などの中で浸け置きをしないでください。
- 食洗機には絶対に使用しないでください。
- 流水で洗う際に水抜き穴に直接水をかけないでください。
- 洗った後はひっくり返した状態で伏せたままにせず、すぐに水気を拭き取り上側を向くように保管してください。
- ガスコンロでの加熱は中火以下で、中火以下であっても底面から炎がはみ出すような状態にならないよう火力調整を行ってください。
フライパンは食洗機を使用せずに
洗ってください。
フライパンは水抜き穴を
下に向けて収納してください。
フライパンや鍋のハンドルの多くは熱されても容易に溶けてしまうことがないようにフェノールやメラミンといった耐熱性にすぐれた樹脂を使用していますが、ガスコンロでの直火や煽り熱を受けると耐熱温度を超えて傷んでしまいます。
また高温の蒸気などに繰り返し晒される事も傷みの原因になりますので、記事内の注意点を守って頂きハンドルの樹脂部に負担がかからないようにすることがトラブルを避け、フライパンや鍋を長持ちさせることに繋がります。
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